【国際社会文化研究所】指定研究プロジェクト 第1回研究講演会開催報告

 6月9日(木)、第一部(午後1時半~3時)、第二部(午後3時20分~4時45分)にかけて、国際社会文化研究所指定研究「異文化理解と多文化共生―仏教・キリスト教・イスラームの実践的対話に向けた比較宗教学―」(代表:佐野 東生・国際学部教授)の2022年度第一回研究講演会が開催されました。

 第一部は国際学部専攻科目「多文化共生と宗教」(深草学舎22号館201)において開催され、阿部 仲麻呂(あべ なかまろ) 東京カトリック神学院教授(本指定研究客員研究員)が講演しました。「ジャック・デュプイによる「諸宗教の神学」にもとづく対話の可能性について」との演題で、インドで宣教活動にあたった現代カトリック神学者ジャック・デュプイの主著に基づき、カトリック信仰を軸としながら、従来の包括主義、宗教多元主義の限界を前提に、仏教を含むキリスト教以外の多様な信仰、価値観をも理解し、対話を目指す新たな「包括的宗教多元主義」について、講師個人の体験も踏まえ、学生も共感するわかりやすい解説を行いました。

 第二部は国際学部専攻科目「比較宗教思想」(深草学舎和顔館B201)において開催され、松長 昭(まつなが あきら) 事業創造大学院大学客員教授・古町愛宕神社権禰宜(〃)が講演しました。「宗教間対話:トルコ的イスラーム(国家がイスラームを管理)との対話とは?」との演題で、オスマン帝国から現トルコ共和国に至る国家によるイスラームの管理、それに伴うハナフィー派(イスラーム四大法学派のうち穏健派)に基づく現実主義と過激派発生の抑制、また庶民レベルでメヴレヴィー教団(13世紀のルーミーが開祖)など神秘主義教団の活動で穏健なイスラームが広がり、日本とも交流・対話の可能性が高いことが示されました。予備知識が乏しい学生にとっても現ウクライナ情勢も踏まえたわかりやすい内容でした。

 総じて本研究講演会は、指定研究の主旨である諸宗教の対話に向けた取り組みについて、キリスト教とイスラームの立場から理論的、実践的な様々な提案を行う貴重な内容であったと評価できます。(各講演の詳細について、以下の資料集リンクを参照。)

講演会写真3 松長先生講演
        講演会写真3 松長先生講演

講演資料
阿部 仲麻呂:レジュメ
松長 昭  :レジュメPPT